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2014年07月19日

オピネル No.8

折角の連休が雨なんて。。。

オピネル No.8





いつもなら、関東で梅雨が開ける頃が丁度夏休みに入る頃なのですが

今年は少々遅れているようで

折角の連休が雨で台無し。

キャンプに出かける訳にも行かず、暇だなぁと。























で、以前 仕事帰りに買ってきていた オピネルNo.8 を

いじってみようかと思った次第で。





普段のキャンツーでは

( 家内と行くと全部家内がやってくれるので私のナイフは使いません )

もう20年近く前に購入

( して後輩に失されて、買い直してくれたんですけどちょっと違うモデルだったけど )

ビクトリノックスの所謂マルチツールのナイフを使っています。

オピネル No.8

今のシリーズでいうところの『ラックサック』と言われるタイプのモノです。


ナイフのロックも出来て刃渡り8cmあってキャンツー料理程度には十分な長さ

20年経っても切れ味は十分で問題は無いのですが

如何せん、マルチツールですので

のこぎりや缶切り、錐にコルク栓抜きと

オピネル No.8


実際には殆ど使わない機能があるが故に

ブレードと本体の隙間が多くて汚れも溜まりやすい。

そのくせ掃除しづらい。

ステンレスと樹脂なので、水洗いできるのでまあいいのですが。


ただ、使いもしない道具がついていても無駄なだけで

シンプルな奴が欲しいと思っていました。



実は、いつものCB氏がとても小さなナイフを使っていたので

オピネルのナイフをずっと薦めていて、購入したらどんなだか聞こうとしていたのですが

結局CB氏もマルチツールを購入してしまい、聞けずじまいで

どんなもんかと気になっていたのです。


アウトドアショップに行く度に、必ずと言っていいほど置いていある

オピネルを眺めては、大して高くもないものなのですが

毎回買おうかどうしようか迷っていましたが


ある方のYouTube動画 

 『OPINEL SIMPLE CUSTOM シンプル小細工』


 オピネル分解から組立まで To assembly from degradation of OPINEL


を観て、前から気になっていたオピネルのNo.8を購入したのです。

(この方の動画は本当に素晴らしい動画ばかりです)


で、そのままにしていたのですが、この連休にちょっといじってみようかと。

さすがに、この方のような素晴らしい加工は出来ませんので、定番の処理だけですが。








ご存知な方も多いかと思いますし、今更感満載ですが、一応説明すると

オピネルはフランス製の、安っすい何の変哲もないナイフです。



で終わってしまうとあれなので、もう少し。



日本でいうところの『肥後守』に例えられる、日常使いのナイフだそうです。

もっとも、私の子供の頃でさえ、既に肥後守はあまり使われず、ボンナイフ使ってましたが

要は、それくらい一般的な単純なナイフです。


広葉樹の柄に炭素鋼のナイフが着いた折りたたみ式のナイフで

サイズにもよりますが、1,500円~3,000円以内で購入できる、安いナイフです。

炭素鋼ですから、すぐ錆びるし、そもそも、まともに研がれてもいないので、切れ味もよくありません。


逆にそんなナイフだからこそ、使い込んで乱暴に扱っても惜しく無いし

逆に手入れさえしさえすれば、それは素晴らしい道具になるというわけなのです。







で、今回何したかというと、基本中の基本、刃の防錆処理と柄の防水加工。

ネットで探せばいくらでも出てくる事をやってみました。






先にも述べたように、基本炭素鋼の刃なので、水に触れたまま放っておけば直ぐに

『赤錆』

が出ます。

洗ってそのままにするとサビが出る、和包丁なんかとおんなじです。




ですので、この錆が出ないようにしてあげれば良い訳です。



赤錆の正体は、俗に、酸化鉄(Ⅲ)、や酸化第二鉄 と言われるもので

錆はどんどん鉄を浸蝕していきボロボロになります。




鉄にはもう一つの錆が有り、所謂

『黒錆』

と言われる錆で

四酸化三鉄、あるいは酸化鉄(Ⅲ)鉄(Ⅱ)と言われる錆です。

黒錆は赤錆のように鉄の内部まで浸蝕しないのです。


鉄には、2価の鉄イオンFe2+と 3価の鉄Fe3+があって、

黒錆は、この2価と3価のFeが一緒に・・・・


子供の頃の化学の時間に習いましたね。忘れたけど(笑)



小難しいことは置いておいて

要は、赤錆が出来る前に、鉄の表面をこの黒錆で覆ってしまえば、赤錆が出来ない

と言うこと なんだそうです。

釘を焼いて黒錆を表面で覆うと錆びない、と言う原理と同じです。

ダッチオーブンを空焼きするのと同じ理屈ですね。


じゃぁ、ナイフ焼いちゃえばいいじゃん ってことになるわけですが

そうすると 焼きなまし やらなにやらで、刃物として使えません。

じゃあ、どうするか、というと

黒錆を生成させるために、タンニンを鉄と反応させると、そのキレート力で

所謂 タンニン鉄が生成され表面を覆って・・・




・・・こまけぇこたぁいいんだよ。





要は、タンニンのある環境に鉄を晒せば黒錆ができるわけです。

で、オピネルの処理で一般的な方法が、お茶のタンニンを利用し

お茶(紅茶)に漬け込むことで黒錆をつけるわけです。







前振りが長くなりましたが、作業にかかります。


刃をそのまま紅茶に漬け込んでもいいのですが

如何せん、このオピネルの刃は、そのままではまともに切れませんし

刃、自体も、良く言えばヘアライン仕上げ、正直に言えば

炭素鋼を切り抜いてチャチャッと 研いだだけの状態です。


ですので、結構凸凹や傷があったりスルわけです。

と言うか、本当に初期状態だと切れません。

オピネル No.8


なので、まず刃の表面をある程度整えるため、耐水ペーパーでヤスリがけをしたいのですが

柄が木 なので、水を吸ってしまいます。

なんか、水を吸うと木が膨張して刃の出し入れがしづらくなるとのことですので

水に浸けたくありません。

と言うことで、分解します。

分解大好き。




でバラすとこんな感じになります。

オピネル No.8



刃のロック用のカバー?はドライバーでこじれば案外簡単に外れます。

問題なのは、刃を留めているピン。

かしめてあるので、片側のカシメのゆるい方を削って叩き出せば外れる

はずなんですが、どうやっても外れない。

仕方がないので、もう反対側の頭も削って、そちら側から叩いたらあっさり抜ける。

ピンを見てみると、なんと逆テーパーの様に、若干ピンが膨らんでいて

いくら叩いても抜けないわけです。

オピネル No.8





で、分解できた刃を砥石で均して、耐水ペーパーでみがいて

ある程度平滑になったところで

パーツクリーナーで十分に脱脂した後

ペットボトルに紅茶を入れ、酸性にするため酢を適当にぶち込んで

刃を糸に吊るして漬け込みます。

オピネル No.8

泡が出てきて色が変わってきます。

オピネル No.8


一晩置いて取り出すと

オピネル No.8

うーんムラがあります。

別に黒錆をつける、という目的として考えればこれでもOKなのですが

なんか、気に入りません。


なので、もう一度砥石で砥いで

オピネル No.8


1500番の耐水ペーパーで均した後、再度紅茶漬けします。

紅茶の温度を高めにして漬け込むと反応も早く

3時間ほどで真っ黒になりました。

オピネル No.8

気持ちいいくらい黒いです。

元が

オピネル No.8

これですから、いかに黒くなったかがわかります。



黒錆処理前に、一旦砥いで刃をつけているので

仕上げ砥で軽く研いで刃を付け直し完了。




次は柄の処理です。

オピネル No.8


元々ニスがぬってあるらしいのですが、キコキコ動く刃の根元等から水が染み込み

動きが渋くなるということで

これも定番の亜麻仁油 (リンシードオイル)を塗りこみました。

オリーブオイルでも良いらしのですが、私はオリーブオイルの香りが苦手なので

画材店で少量売っているリンシードオイルを使いました。

食用だと量も多く、1000円近くするので、あまり使わないものですから

仕事帰りに世界堂によって55mlの小瓶を351円(税別)程で購入しました。

オピネル No.8


この量で十分です。



本体はニスがあるので、染み込みませんが、適当に摺り込んで艶をだします。


小口と刃がハマる溝はヤスリで擦って幅を広げているので

筆でリンシードオイルを塗りこんで拭き取るを繰り返し、乾燥させます。

直ぐには乾きませんが、数時間乾かしてもう組み直しました。

オピネル No.8

いい感じです。


刃をたたむと若干刃に油が付くので、数日は刃を出した状態で乾燥させることにしました。









ステンレスの刃のオピネルもあるので、手入れの手間をかけることを考えたら

そちらの選択肢もありです。

その場合、黒錆処理なんかしなくていいので

ブルーマジック当たりで磨いてピカピカにするのもいいかも。




さて、このナイフが使えるキャンプはいつになることやら。












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Posted by のんびりセローで at 23:54│Comments(6)キャンプ道具
この記事へのコメント
おはようございます。
僕です

オピネルネタに反応して来ちゃいました。
僕もあの動画見て影響受けました。
ピンが抜けなくて、断念したんですけどね。

やっぱり削ったんですね。
サンダーでやられたんでしょうか。
Posted by at 2014年07月20日 07:00
>僕 さん
こんにちは。

ピンは手元にあったダイヤモンドヤスリで
ひたすら削り落としました。
案外柔らかいのでそんなにかかりませんでした。
Posted by のんびりセローでのんびりセローで at 2014年07月20日 08:42
セローさん乙です。

私も以前にオピネル黒錆化やりましたよ。

ただ、めんどくせーのでバラさずにそのままオリーブオイルぶっこみ&レモンティーどぶ付けしましたけどw

だから仕上がりもそれなりですwww

ちなみにマイオピネル君は、かれこれ一年くらい使ってないので開くかどうか分かりません\(^^)/
Posted by ジェベル君 at 2014年07月20日 18:52
>ジェベル君さん
こんにちは。

私の場合、黒錆化よりも分解が主だったりします(笑)

オピネルの開閉って、案外硬いですよね。
今回思いっきり開閉部削ったんですけど
留め金を戻すと結構締め付けられてそこそこ渋い
動きに落ち着きました。

後は使っていってどうなるかです。
一年放置だと、開く時に爪が割れそう(笑)
Posted by のんびりセローでのんびりセローで at 2014年07月21日 06:42
こんにちは。

私は、炭素鋼のNo.9を使ってます。

そして、黒錆化したんですが、セローさんのように分解するわけでもなく、
適当なんで、仕上がりも微妙でした(^^;

うちのも、開閉は硬かったですが、オリーブオイルに漬けて、
乾燥させたら、よい感じになりました。
Posted by ふみぽんふみぽん at 2014年07月22日 12:58
>ふみぽんさん
こんばんは。

No.9ですか。
No.8 よりちょい大きいやつですよね。
No.9 の使い勝手はいかがですか?

オリーブオイルに漬ける際は
ブレードも一緒にドブ漬けですか?

亜麻仁油だと固まるので、開閉が固くなるって聞いて
オリーブオイルも考えたんですが
匂いが苦手で、匂いのない亜麻仁油にしました。
Posted by のんびりセローでのんびりセローで at 2014年07月22日 21:17
 
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