のんびりセローで

この地震で被災された方々、
ご家族が被災された方々、
そのほか関係各位におかれましては
本当に心配なことかと思います。
心からお見舞い申し上げます。


私は、発生時、東京の高田馬場のオフィスビル１１F で勤務中でした。
かなりの揺れが始まり、立っていられないほどの揺れとなりました。
社の総務からの指示により、一時避難場所となっている近くの戸山公園に避難しました。

近くには専門学校や多くのオフィスビルがあることから、かなりの方が避難殺到し、
公園はいっぱいの状態でした。



上空を普段では見られないほど低い高度を飛行機が旋回している状況です。
飛行場に降りられず、旋回しているような感じでした。

このときの避難場所の様子ですが、日本人の特徴なのか、
皆さんパニックになることもなく、淡々と広場に集まってきている状況でした。

ただ、指定避難場所ではありますが、新宿区からの広報放送もなく、
携帯も繋がらず、データ通信も困難なほど通信回線が混乱している様子でした。

情報がないため、みなどう対処すればよいのかわからない状況でしたが、
ラジオを持っている方が何人もいて、そこからの情報、あるいはTwitterの情報が早かったです。
そんな中、私は、こんな肝心なときに限って、Twitter の確認もできるIDEOS を自宅に忘れる
失態。予備電池は持ってきていたのに、です。

しばらくして、オフィスビルに戻ると、FAXは棚から落ち、コピー機はあちこちの動いてしまっており
棚も一部崩れ、とても業務を継続できる状態ではなく、その時点で、帰れる人は帰れ、との
指示が総務より出ました。

すでに鉄道はすべて止まっており、帰れる人はほんの一握りの状態で、ビルに残るにも
一部ヒビが入った状態のため、会社で一晩過ごすこともできません。

仕方がなく、自宅のある川越まで、歩くことにしました。
幸い同じ駅で降りる同僚や、途中まで一緒の人と行くことができました。

この時点では、歩いている途中で電車が普及するだろうという甘い見通しでした。

とりあえず池袋まで出て、後はひたすら川越街道（２５４号）を歩きます。

かなりの人が歩いており、歩道が人でいっぱいでした。狭い歩道に多くの人が歩いているため
自分のペースで歩けないのは非常にストレスがたまりました。

徐々に日が暮れ、寒さも増してきます。花粉もひどく、目が痛くなってきます。

2時間半ほど歩いた19時半頃、下赤塚駅近くのマックで、休憩。
駅には電車が静かに電気を消して止まっていました。

30分ほど休憩し、とりあえず和光市まで進むことにしました。

どんどん寒くなる中、歩いていましたが、川越街道は大渋滞で、歩く方が早いくらいです。

ようやく21時頃和光市駅に着きましたが、ここで本日の電車が完全運休ということを知りました。
小休憩の後、とりあえずタクシーが拾えたらと思いましたが無理なため
比較的拾いやすいであろう朝霞まで歩くことにしました。

20分ほど歩いて朝霞駅に着きましたが、タクシー乗り場にはやはりかなりの人で
タクシーが来ている様子もありません。

歩き始めより5時間を越え、同行者の疲れもピークにあり、私も足首に負担がかなりあり、
駅近くの朝まで営業しているカラオケボックスで、始発電車を待つことにしました。

カラオケボックスに入り、初めて東北の被害の悲惨な状況を知ることができました。
あまりの津波の被害の酷さ、一面火の海となっている気仙沼の様子を見ると
会社の東北方面の営業担当とも連絡が取れていないため、非常に心配になってきます。

カラオケボックスにはソファーがあったので、ようやく靴を脱ぎ横になることができ
ほっとしましたが、長野で起きた新たな地震の揺れや、東北の余震も続き、まともに
眠ることもできませんでした。

しかし、こんな状況でもカラオケを熱唱している高校生グループがいて驚きました。


夜中、西武線、地下鉄、京王線と続々と復旧、夜間も運行を続けている状況の中
肝心の東武線はまったく運行のめども立たず、どうにもなりません。


朝五時になり始発が出ているかと駅に行っても、駅員もおらず、説明もないため、
タクシー乗り場に下りてタクシーを待つことにしました。

駅の放送で、6時過ぎにようやく運転が復旧し始めたことを知り、一緒にいた1人が次の駅まで
いけば何とかなるとのことで、始発電車を待つべく別れました。
私と他1名はタクシーを待ち、1時間40分後、ようやくタクシーが来て、裏道を通り
ようやく川越の自宅に帰りついたのが朝7時半頃でした。

東北で被災された方に比べれば、本当に恵まれていたわけですが、
あるかもしれないとは思っていたけれども、
まさか自分が本当に帰宅難民になるとは、思ってもいませんでした。

会社からの連絡で、東北、北海道のメンバー全員、家族の安否が確認できたとのこと、
私自身の家族、友人にも被害もなかったことで、被災にあわれた東北の方々に
申し訳けないのですが、正直ほっとしております。



まだまだ余震も続きますので、皆さんくれぐれも注意してしていただき、
再度何かありましても、デマに惑わされず、落ち着いて避難誘導にしたがって、
迅速に行動してください。


これ以上被害が広がらないことを祈って。